MAMMILLARIA'S CRYPTOCARPIC FRUIT




~自らが朽ち果てる時、若しくは命の危険を感じた時、

 新しい生命を産み落とすサボテンがある。~

 

サボテンの中でも種類の豊富な属であるマミラリア、

その中でも特に摩訶不思議な3株を今回の主役にします。

 

 

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20200627 mammillaria bertholdii ,above and side

マミラリア ベルトルディは上から見ても横から見ても、

誰もサボテンだと思わない見た目をしています。

特に現地では写真のように青々とした見た目で無く、

土にまみれて擬態しているかのような姿だそうです。

まるで、アリオカルプス属のような擬態の仕方です。

※そもそも擬態しているのか定かではないですが。

 

我が家には自根の写真の株と、接ぎの株がありますが、

接ぎの株は人工的で形が美しく無い為、今回は記載をしませんでした。

 

 

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20200627 mammillaria luethyi ,avobe and side

ルエッティもサボテンとは思えない見た目をしています。

私がこの植物を発見していたら、アレオーレの存在には

気が付いていないと思います。

※私が第一発見者場合、サボテンと気が付くまで

あと50年は要していたかもしれません。

 

 

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20200627 mammillaria hernandezii ,avobe and side

 今回紹介の3種の中でもようやく

見た目がサボテンらしい子が来ました。

アレオーレは、体面に沿って出す無数の刺が美しく

まるでヒマワリのような見た目です。

 

ベルトルディ・ルエッティ、ヘルナンデシー(※1)

これらのサボテンはcryptocarpicという特殊な生態を

持っており、種子を取り出すことは、難儀である。

 

これらの種の特徴として、一般的に取り蒔きが良いとされる

サボテンの播種だが種子形成から時間が経過した方が、

発芽率が上がるという事である。

 

通常であれば、受粉後体外にて果実を形成、

数か月経過後果実が割れ、種子があふれ出てくる。

 

それを彼らは(彼女ら?)、受粉後体内にて種子を形成する。

このとき果実は殆ど意味をなさず、

(仮に)種子膜を形成し、大切に何年間も体内にて

種子を熟成させるのである。

 

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20200528 mammillaria hernandezii ,seeds came out

 

上の写真は、5月28日に撮影したものだが、

種子膜(果実)が迫り出して来ている。

 

前日に大雨が降り、(ここからは推測です。)

大量に水を吸い、産み落とすなら今だと思ったのか?

一斉に(3鞘)迫り出してきました。

若しくは、大量の水で腐ると思ったのかもしれません。

 

上記にて※1とさせて頂いたのは、

朽ち果てるまで種子は取り出せないと思っていたが、

取り出せてしまった為。しかし種子採取後の体面は

穴が空いており、cryptocarpicの特徴が出ている。

 

最後になるが、私は実生が好きで自身の栽培している

株からとれた種子を播種する事は、大変嬉しいことである。

しかしながら、cryptocarpicの株に至っては、

出来れば種子を見たくないというのが本音である。

(それは朽ち果てた時見ることになるであろう)

 

※種によって原産地が伏せられている可能性が有る為、

今回は植物原産地情報を伏せます。

 

※今回cryptocarpicについて記事を書きましたが

私個人の見解も含まれております。ご了承ください。