MAMMILLARIA'S CRYPTOCARPIC FRUIT
~自らが朽ち果てる時、若しくは命の危険を感じた時、
新しい生命を産み落とすサボテンがある。~
サボテンの中でも種類の豊富な属であるマミラリア、
その中でも特に摩訶不思議な3株を今回の主役にします。
マミラリア ベルトルディは上から見ても横から見ても、
誰もサボテンだと思わない見た目をしています。
特に現地では写真のように青々とした見た目で無く、
土にまみれて擬態しているかのような姿だそうです。
まるで、アリオカルプス属のような擬態の仕方です。
※そもそも擬態しているのか定かではないですが。
我が家には自根の写真の株と、接ぎの株がありますが、
接ぎの株は人工的で形が美しく無い為、今回は記載をしませんでした。
ルエッティもサボテンとは思えない見た目をしています。
私がこの植物を発見していたら、アレオーレの存在には
気が付いていないと思います。
※私が第一発見者場合、サボテンと気が付くまで
あと50年は要していたかもしれません。
今回紹介の3種の中でもようやく
見た目がサボテンらしい子が来ました。
アレオーレは、体面に沿って出す無数の刺が美しく
まるでヒマワリのような見た目です。
ベルトルディ・ルエッティ、ヘルナンデシー(※1)
これらのサボテンはcryptocarpicという特殊な生態を
持っており、種子を取り出すことは、難儀である。
これらの種の特徴として、一般的に取り蒔きが良いとされる
サボテンの播種だが種子形成から時間が経過した方が、
発芽率が上がるという事である。
通常であれば、受粉後体外にて果実を形成、
数か月経過後果実が割れ、種子があふれ出てくる。
それを彼らは(彼女ら?)、受粉後体内にて種子を形成する。
このとき果実は殆ど意味をなさず、
(仮に)種子膜を形成し、大切に何年間も体内にて
種子を熟成させるのである。
上の写真は、5月28日に撮影したものだが、
種子膜(果実)が迫り出して来ている。
前日に大雨が降り、(ここからは推測です。)
大量に水を吸い、産み落とすなら今だと思ったのか?
一斉に(3鞘)迫り出してきました。
若しくは、大量の水で腐ると思ったのかもしれません。
上記にて※1とさせて頂いたのは、
朽ち果てるまで種子は取り出せないと思っていたが、
取り出せてしまった為。しかし種子採取後の体面は
穴が空いており、cryptocarpicの特徴が出ている。
最後になるが、私は実生が好きで自身の栽培している
株からとれた種子を播種する事は、大変嬉しいことである。
しかしながら、cryptocarpicの株に至っては、
出来れば種子を見たくないというのが本音である。
(それは朽ち果てた時見ることになるであろう)
※種によって原産地が伏せられている可能性が有る為、
今回は植物原産地情報を伏せます。
※今回cryptocarpicについて記事を書きましたが
私個人の見解も含まれております。ご了承ください。